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ゲムマ2013秋頒布作品『Banquet』レビュー

縁あって、今回のゲームマーケットでは拙作『ハコモノギョーセイ!』をOwl Worksさんのブースに委託品として置いてもらうことになった。
そのOwl Worksさんの方の作品がこちら↓
【ゲムマ13秋の新作】Banquet(バンケット)の紹介 - Owl Works
打ち合わせの際にこのBunquetで遊ばせていただいたので、レビュー記事を書こうと思う。

手軽に遊べるガチ読みゲー『Bunquet』

ゲームの流れとしては、まず2つに分けたカードの束からお互いに自分の使いたいカードを選び、残りのカードを交換する。それを何度か繰り返し、その後自分が選んだカードを机の上に順番に並べていく。全て並べ終わったら得点を数える。これだけである。シンプル。1回のゲームに10分もかからない。しかしそれがなかなかどうして、大変味わい深いゲームに仕上がっている。それは相手がどう出るかを読み合いながらカードを選ばなければならないからだ。

相手の出方を予想する

具体的なカードで例を挙げてみよう。カードセットに一番多く入っているヒツジは、隣にヒツジがいると2点のボーナスを得る。両隣がヒツジなら、そのヒツジは5点だ。しかしカードの中には出てきた相手のヒツジを食い殺してしまうオオカミというカードがある。相手がヒツジを並べると分かっていればオオカミを出すべきだろうし、それが読めていればヒツジ以外のカードを出し、オオカミを避けることができる。このように相手の出方を読み、慎重にカードを選んでいく必要がある。

ドラフトを用いたゲーム進行

このゲームのキモとなるのが、自分で使うカードを選ぶとき、お互いにカードの束を交換しながら取っていくという方法である。TCGなどを遊ぶ人なら、ドラフトと言えばピンと来ると思う。ボードゲームでは、7Wondersやあやつり人形で採用されているメカニズムである。*1

やり方はこうだ。最初にカードが配られた時点で、お互いに6枚のカードを持っている。その中から1枚選び、1枚を裏向きのまま捨てる。残りの4枚を相手に渡す。それをもう一度行い、4枚だったカードの束が2枚になって手元に戻ってくる。つまり戻ってこなかった2枚のどちらかが相手の選んだカードというわけである。また、相手に渡した2枚のうちどちらかを相手が出してくるので、それも予想できる。そうやってお互いにカードを3枚を手に取り、それを任意の順番で机の上に並べていく。それを最初からもう一度繰り返すので、最終的に机の上にはお互いに6枚のカードが並ぶことになる。

様々な種類のカード

カードには上に挙げたヒツジとオオカミの他に、自分の得点は5点と高いが両隣の得点を0にしてしまうゾウや、相手の出したカードと自分とを入れ替えるネコといった、単純に点数を稼ぐだけでなく、様々な種類のカードがある。

カードの配置はとてもシビアで、1枚でも計算が狂うと大きく稼げるはずだった得点が無残な結果になることが多々あり、ゲーム終了時に0点になってしまうことすらある。自分のカードだけでなく、相手のカードを考えた上でプレイしないと勝つのは難しい。

サクッと遊べてもう一度やりたくなる

このテのゲーム、個人的にはかなり苦手である。ついつい自分の得点のことばかり考えてしまい、相手の予想を疎かにしてしまうので、ボコられることが多い。長考も常である。しかしこのゲームのすごいところは、そういう性質を備えていながら、1回のゲームが10分足らずで終わることである。私はとにかく長考するので、このテのゲームではすぐ疲れてしまい1回のゲームでお腹いっぱい、ということが多いのだが、このゲームの場合いくら長考しても大抵は10分もかからないので、2回目、3回目と連戦することができる。

成長の実感

このゲームの素晴らしい点はもう一つあって、何回かプレイすると戦法がなんとなく分かってくるのである。相手がこう来たらこう動く、このカードがあったらこれとこれを残して相手に渡す……など、動き方が分かってくる。これが面白い。負けるときは相手の戦法が一枚上のことが多いので、それも参考にできる。感想戦がすごく盛り上がるゲームで、ゲームが1回終わるたびに自分の成長が実感できるだろう。そういう性質が、短いプレイ時間とまた噛み合っているのである。一度面白さを味わってしまえば、「もう一戦いい?」となること請け合いだ。

ゲームマーケット当日のブース情報

ゲームマーケット2013秋
Owl Works(一般ブース626)
詳細はこの記事上部のリンクを参照。

*1:実際、このゲームはあやつり人形に影響を受けているようだ