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トーク力を手にしたアイドルたち〜シンデレラのおしごとデザイナーズノート(後編)〜

前回記事
vivit-jc.hatenablog.com

前回記事の続きです。
アイドルマスターシリーズには、「ボーカル」「ダンス」「ビジュアル」という3つの伝統的なステータスがあり、これは他のアイマス同人アナログゲームにも採用されていることが多いです。
『シンデレラのおしごと』はそうではなく、あえて「歌唱力」「演技力」「体力」「トーク力」という4つのステータスを設定しました。
もっとも、トーク力以外は伝統的な3つと実質同じと考えてよいでしょう。
独自のものはトーク力だけです。
仕事カードで要求されるステータスは、それぞれのステータスが以下のようなイメージであることから逆算して設定されました。

歌唱力

個人的にはあまり歌わないアイドルがいてもいいとは思うのですが、アイドルマスターに関しては歌と切り離すことは不可能です。
実際にプレイした方はご存知の通り、歌唱力は仕事において若干優遇されています。

演技力

ドラマやCM出演などの際に要求されるステータスです。
演技力という名前になってはいますが、本家アイマスの「ビジュアル」に相当するステータスなので、グラビア撮影やモデルなど被写体としての仕事もこの中に含まれています。

体力

本家アイマスの「ダンス」に相当するステータスです。
ライブはもちろん、他に体力を要求されそうな仕事全般に割り振られています。
そんなに差は無いものの、演技力とトーク力よりもちょっぴり優遇されていますね。

トーク力

さて、本題。トーク力とは、その名の通り人前で話す仕事に関する能力です。
テレビ等を観ていても、いざ人前で喋らなくてはならない時、うまくできるアイドルと、そうでないアイドルは、案外はっきりと分かってしまうものです。
その割に、当たり前ではありますがアイドルは人前に出て喋らなければなりません。
インタビューや音楽番組、授賞式のスピーチなんかもあります。
また、アイドルによっては、バラエティ番組で芸人顔負けのトーク力を発揮したり、ラジオパーソナリティを務めるアイドルもいます。
トークと言うものの、例えば雑誌のコラム記事を書いたり、ブログを自分で更新したりといった執筆作業もこれに含まれます。
シンデレラのおしごと特有のステータスではあるものの、やはり歌唱力や体力に比べると重要性は高くないため、トーク力を活かして大量得点を狙う……といったことは難しいように作られています。

伝統的な3つのステータスを基調としてそれを拡張し、さらにトーク力というステータスを加えたことで、おおよそ全てのアイドルっぽい仕事が表現できるようになりました。
ルール上「尖ったステータスを持っているアイドルは強い」という仕組みになっているため、それを考慮したステータス設定をしていますが、「このアイドルはこれが強みだ」と明示的にわかっていることが、ゲームへの感情移入の助けにもなっています。

ちなみに、トーク力は当初「知性」という名前でしたが、「知性が低い」のは雰囲気が良くないということでトーク力に変更されました。
不思議なもので、「トーク力が低い」と表現されると、それはそれでアイドルの味や個性であるように見えてきます。

シンデレラのおしごとでできなかったこと

ステータスの設定については、少し不満が残るところもあります。
それは、レッスンをすることで全てのステータスが同様に上がるため、ステータス個々の成長を行うことができないということです。*1
本家アイマスのレッスンのように、特定のステータスを上げるようなシステムにすると、複雑になり過ぎる割に面白さに関与しないことが分かったのです。
そのため、現在のように、あらかじめ設定された得意・不得意を覆すことができないという仕組みになってしまいました。
これは私自身を含むシミュレーションゲームっぽさを重視するプロデューサーの皆さんにとっては不満でしょうし、不得意な要素を克服して活躍するアイドル! というドラマ性はやはり魅力的です。
ゲームのデザインは取捨選択なのですが、正直なところ結構心残りなので、今後の課題とさせていただきます。

ステータスの扱いの今後〜拡張パックではこうなる〜

ここで少し拡張パックの話を。
拡張パック『AnotherParty!』では、新たな仕事カードが3枚追加されます。
この3つの仕事カードが加わることにより、アイドルのステータスの扱い方も自ずと変わってくるでしょう。

まず、新しい3つの仕事は、どれも特定のステータスを参照しません。
つまりアイドルたちが最も得意なことで戦うことができるということですが、実はステータス以外のあるものを参照して得点が決められる仕事が1枚あります。
また、仕事カードの「特別レッスン」のように、得点にはならないもののうまく使えばその後の展開を有利に進められる仕事も1枚あります。

そして、ゲーム中に使う仕事カードは16枚と決まっていますので、新しいカードを混ぜて遊ぶときはランダムに使わないカードが3枚発生します。*2
例えば1回で実質2人分の得点を獲得できる「アルバム発表」「映画撮影」がゲームに出てこない場合があるのです。
どの仕事カードが卓上にあるかによって、ステータスの重要性が変化します。
基本セットでの固定された仕事カードに飽きたプロデューサーの皆さんに、拡張パックを強くおすすめします。

どのアイドルも活躍できるように

どんなステータスのアイドルでも活躍できるようなゲームにしたつもりです。
しかし、それでも一部のアイドルは他と比べて見劣りする設定になっていることが分かってきました。
これはバランス調整の不足から来るもので、手にしてくださった皆さんにはお詫びしなければなりません。
拡張パックを制作するにあたり、基本セットの一部のアイドルを修正する機会に恵まれました。
次の記事では、基本セットのバランスに関する反省と、アイドルのエラッタについて説明します。
基本セットをお持ちの方は、是非お読み下さい。

*1:拡張パックでは、初めてそうでないアイドルが登場します。

*2:ただし、拡張パックが入ってもライブが固定なのは変わりません。