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『シンデレラのおしごと』拡張第三弾の頒布を延期します&夏コミ新刊のアンケートについて

まとめ

コミックマーケット94にて頒布予定だった『シンデレラのおしごと』拡張第三弾はコミックマーケット95以降の頒布に延期されます。
・直接の理由は時間不足ですが、デザイン上の心境の変化が大きいです。
・夏コミは別の頒布物を用意しますが、それの内容はまだ検討中です。意見募集。
・夏コミで修正カードを(新刊とセットで)頒布します。
冬コミまでに大会を1,2回行いたいと考えています。


日頃より『シンデレラのおしごと』および他のJ.C.クリエイツのゲームを遊んでいただきありがとうございます。
夏コミを楽しみにしていただいていた方々に、この度残念なお知らせをしなければなりません。
後述する理由により、『シンデレラのおしごと』拡張第三弾の頒布開始を冬コミ以降に延期させていただくことになりました。


今となってはすべてが盛大な言い訳ですが、この記事は言い訳したいがためではなく、J.C.クリエイツおよび私の現状をお伝えするため、また我々のゲームを楽しんでいただいている皆様に感謝の言葉を伝えるために書いています。
そういう前提で読んでください(命令)。

延期理由について

延期の理由を一言で表現すると「よりバランス調整の時間を確保するため」です。
これはバランス調整のための時間が足りず、間に合わなかったと言い換えることもできます。
とはいえ、これは時間があれば何とかできた問題ではなく、デザイナーである私の心境の変化と、そのタイミングの悪さによるところが大きいです。
順を追って説明します。


去る6月17日、第一回『シンデレラのおしごと』大会&交流会を開催しました。
オンリーイベントが重なったこともあり、当日は参加人数不足に悩まされましたが、何とか強引に大会を行うことができました。
私も一プレイヤーとして大会に参加し、初対面の方々と楽しくプレイすることができました。
そこで驚かされたのが、実際に『シンデレラのおしごと』をやりこんだ方々の熱意です。
大変有り難いことですが、同人アナログゲームとしては考えられないくらいヘビーローテーションしていくださっている方々がたくさんいるのは知っていました。
しかし、直接それを目の当たりにしたこと、実際のプレイを拝見して、カードの評価など会話を交わしたことは、私にとっては大きな衝撃でした。

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(プレイヤーアンケートより。10回以上多すぎない??)


大会の時点で、既に第三弾のアイドルや仕事について、テキストは揃いつつありました。
しかし、その時点では以下のようなフローに従って用意したに過ぎません(拡張第一弾、第二弾と同様です)。

好きなキャラをリストアップする
↓
そのアイドルに見合ったテキストを考える、あるいは考案済みのテキストを誰かに当てはめる
↓
テストプレイで調整しつつ取捨選択する
↓
最終決定

大会での様子を見て、場当たり的と言ってもいい上記のフローに疑問が生じました。
例えば「アイドルの機能の空白地帯を埋める」「新たなアイドルが既存のアイドルの導くプレイ方針と被らないようにする」「強いとされるアイドルに別の方向から対抗できるアイドルを投入する」など、もっと現状の環境を考慮に入れた内容にすべきではないかと思ったのです。
もちろん、これまでそういったことを一切考慮してこなかったわけではありませんが、アイドルの数が基本セットの倍以上に増えた今では、より一層そのために時間を掛けるべきでしょう。


大会にてたくさんの意見をいただきましたし、実際のプレイングを見ました。
そこで明白になったこととして、既存カードの修正の必要性があります。
特に、プレイ中にストレスを生じさせるテキストの存在には、大きく修正の必要性を感じます。
これはカードが強い・弱いよりもずっと大きな問題です。
とはいえ、強い・弱いの是正も無視することはできません。
アイドルが増えるにつれて、性能差がよりはっきり目立つようになってきてしまいました。
私はどのアイドルも同様に活躍できるべきだと考えています。
真なる平等は残念ながら達成できませんが、それでも全体で見て飛び抜けて強い・弱いものは手を入れる必要があります。


新しいカードを加えることについてだけでも考えることは多いのに、既存カードの修正も行うとなると、これはもう膨大な試行錯誤が要求されます。
大会の時点でそれが判明しても、あまりにも遅すぎました。
元々、大会はその場のノリで生じたものであり、大会優勝賞品であるアイドル指名のイラスト発注がギリギリ間に合うタイミングで行うことにしていました。
大会を行うというアイディア自体はずっと前からあったのですが、単なる思いつきであり、実際にやるとは思っていなかったのです。


大会の話がファンの方から持ち上がらない限りは。


大会の様子を見て学ぶことは大いにありました。
開発チームでテストプレイをしている時点では得られない情報がたくさん得られました。
私自身、ゲームを作る際のテストプレイの形態にある種の行き詰まりを感じていたところだったのです。
テストプレイは「既にそのゲームが頭の中に組み上がっている状態で行う」「変更される可能性がある」という前提で行われます。
すると、どうしても通常のプレイと異なる歪みが発生します。
5月のゲームマーケット2018春にJ.C.クリエイツからリリースされた『妹再生産』についても、同様の問題に突き当たったと感じており、大会の様子はある種の答えを見た気がしました。
(『妹再生産』では私はデザイン補助に過ぎませんでしたが、リリース後の評判について、チーム内でも議論が行われました)


そういうわけで、いろいろ悩んだ末、夏コミではひとまず修正カードを出すにとどめ、冬コミまでの期間でさらに大会を行い、より相応しい形で拡張第三弾を発表するという方針に決めました。

夏コミ新刊(仮)の内容

修正カードを頒布するだけでは、コミケのブースにしては寂しいことになります。
修正カードなので、それ単体でお金をもらうわけにもいかない、かといってお金をもらわないと印刷費の回収という面でつらい(正直)。
幸い冊子であれば、まだ制作する時間はあります。ということで冊子形式の新刊を作り、それのおまけとして修正カードを付けることにしました。
問題は何を作るかです。
本来の新刊が出ないという、ある種のトラブルの中での新刊なので、皆様の意見を聞いてみることにしました。

Twitterのアンケート機能を用いて集計しています。
投票よろしくお願いします。

お詫びと感謝

重ね重ね、『シンデレラのおしごと』拡張第三弾を楽しみにしていただいていた皆様にお詫びします。
特に、第一回大会優勝者のじるこんさんには、優勝賞品をおあずけする形になってしまいました。

でもこんなになっちゃったのはへービーユーザーの皆様(アンタ)のせいなんだから、ちゃんと責任取りなさいよね……!


プレイヤーあってのアナログゲームです。
何度感謝の言葉を述べても足りないくらいです。
期間を延ばした分のクオリティアップは必ず果たしますので、ご期待ください。