読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

いつクリはてブロ

いつになったらクリエイティブするの?

オンラインMegaCivilizationプレイレポート アッシリア編

ゲーム レビュー

2016年5月15日、オンラインでMegaCivilizationをやろうということで7人集まり少しずつ進めたプレイが昨日ようやく終わったので、忘れないうちにプレイレポートを残しておこうと思う。とはいっても4ヶ月超のプレイのうち大半は当然忘れている。事実と食い違いがあるかもしれないがご容赦いただきたい。

オンラインMegaCivilizationはインターネット上にボードを再現し、それを動かしながら遊ぶという形式である。現実でプレイするのと違うのは時間の制約がかなり緩くなる点と、チャットを通して会話するために秘密外交がやり放題という点である。最初の一日は全員集まってプレイし、その続きは誰かがターン内行動をする→全体チャットで報告→次の人が行動するという形式で進行したため、ゴールまでそれなりに時間が掛かってしまった。しかし、日々の中でゆっくり少しずつプレイするというのもまた心地の良いものだった。現実のMegaCivは体力勝負なので。

マップは西側、参加人数は7人。文明はミノア、アッシリアカルタゴヒッタイト、ローマ、ヘラス、エジプト。ケルトとイベリアは封鎖された。筆者はアッシリアでプレイ。アッシリアはゲーム外領域を背にしており外海との接続も限られているためヒッタイト、エジプトが良き隣人でいてくれればさほど難しい立地ではない。
文明進歩は最序盤にエジプトとの抗争があったために工学を取得したのを起点とし、橙と緑に絞った。後述するがもう少し橙に寄せて取得した方がもっと早くレベル3進歩に到達できたという反省がある。また、アッシリアは土地柄《農業》のうまみがあまりなく、どちらかといえば《建築》や《都市様式》の方が嬉しい立地だが、色を絞った関係で取得した《農業》が活きなかったばかりか災害増幅で痛い目を見たので、反省点である。

序盤

各国順調な滑り出しの中、アッシリアは都市数で遅れを取ることとなった。隣国エジプトと接する都市用地密集地帯がエジプトに取られてしまったためである。そのためアッシリアはエジプトを説得すべく《機織》と《工学》を取得し、数ターンに渡り交渉(物理)を実施。無事にエジプトと都市圏を分かち合う体制を確立することができた。無論これはあらかじめ「都市用地を取られるとこちらの分が足りなくなるのでよろしくお願いします」と事前に説明した上でのことなので、断じて初プレイのエジプトへの初心者狩りではないし、都市圏の分配が確立した後のエジプトとの関係は、ゲーム終了まで極めて良好であった。

中盤1

ASTトラックを進めることを優先するため、アッシリアは多少無理して《工学》《農業》《薬》の3つを取得し、鉄器時代目前までノンストップで進めることができた。でもこれはとんでもない悪手で、どんなに交易がうまくいっても1ターンのうちにレベル3進歩を2つ獲得するのは無理な上に(つまりそれ以上トラックを進めない)、トラックで突出するのは血に飢えた蛮族たちにとって格好の攻撃材料である。ピラニアがウヨウヨいる川の中で自ら血を流すようなものだ。そんなわけでアッシリアの領土はローマ、ヘラス、ヒッタイトの3カ国に容赦なく陵辱されてしまう。彼奴らが揃って《軍事》を取っていたために「絶対《軍事》なんか取ったりしない!」と意固地になっていたのも攻撃誘引に拍車をかけてしまった。被害自体はそれほどでもないものの(高レベル災害に比べたら人為的な攻撃は全然マシである)、相当精神的に堪えた。3人に勝てるわけないだろ! いやホントいじめはよくないからね、ゲームだからとか関係ないから。いじめっ子の理論だからそれ。この心の傷はしばらく癒えそうにない。

中盤2

災害によってミノアからローマに寝返ったキプロス島ヒッタイトと組んで襲撃したはいいものの、逆にローマのアッシリア上陸を許してしまう。以降ゲーム終盤までこのローマの進駐軍(通称東ローマ)はアッシリアに貢物を要求し続ける寄生虫となった。ローマは他国に先駆けていち早く《属領国家》を取得しやりたい放題だったので、チャット上で対ローマ包囲網を形成するも、経済封鎖の禁を破ってローマと交易したエジプトが逆に《伝染病》を押し付けられ壊滅するなど、ローマの外交が一枚上手の展開に。結局アッシリアはゲーム終了までローマと和解することは無かった。ちなみに進駐軍の始末はヘラスやエジプトに頼ってしまったのでMegaCivサーの姫っぽさがある。

中盤3

このゲームは復興に時間が掛かる。3カ国にボコボコにされた後じわじわと復興しつつあったアッシリアは、《飢餓》と《洪水》の同時発生によりまたしても更地同然に。最終的にこのように埋没した期間が長かったのが最終的なスコアの伸びに影響したのだろうと思われる。ただ3都市以下の状態がずっと続く時期は、今回のゲームではどの文明もある程度経験しているので、復興の時期をどう過ごすかが攻略上のひとつのキーポイントになりそうだ。

終盤

一応の復興が終わり5都市前後を維持できるようになったアッシリアは、西側でミノアやヘラスが仲良く(物理)しているのを横目に、特に波風が立たない中でプレイを継続。交易では親切にし過ぎて、勝利目前のミノアに《果物》2枚組を渡し8枚コンプリートを手助けしまったり、ヒッタイトに騙され全然違うカードを渡されるとも知らずレベル6資源3枚組をまんまと渡してしまうなど迂闊な場面がいくつかあり、反省点である。終盤より前なら親切にする方が有利なのだが……。

まとめ

度重なる海賊の襲撃と迷信の広がりにより都市0までになったミノアが優勝したのを見ると、中盤までが不利であっても余裕で勝ち目があるということが分かる。よく観察すると進歩の選択と交易、特に同じ資源を7枚8枚貯めることができるかどうかが最終スコアに直結している印象がある。逆に災害や戦争は展開上の厳しさはあるものの、それがあったから負けるということはあまり無いというのが、今回のプレイで確信に変わった。
アッシリアの最終順位は4位。ちょうど真ん中である。上位陣はみな、進歩を赤一色に集中させており、レベル3進歩への到達も早かった。アッシリアは橙を進めながら緑に寄り道という感じだったので、クレジットが少なくレベル2進歩の獲得にさえ難儀した。《薬》を取らないで迷わず《交易路》か《記念碑》を狙うのが良かったのではないかと思う。

各国の感想

【ミノア】

ミノアは序盤であれだけ疫病神ポジションだったのに1位になれるのはすごいと思う。魚7枚コンプリートと果物8枚コンプリートがかなり効いていて、交易が上手かったのかなという感じがする。アッシリアとミノアの関係は常々良好で、ゲーム全体を通して交易のお得意様だった。多分直接戦闘したこと無いんじゃないだろうか。ミノアが3都市のときに《迷信》渡しちゃってごめんね! でもちゃんと災害渡すと言って渡したので許してほしい。

カルタゴ

カルタゴアッシリアは交易以外では特に目立った関わりが無く、遠くの文明というイメージだった。交易で騙されるということもなく、むしろ災害を引き取ってもらったりしていたので有り難かった。後半はややリードしていたタイミングで災害と他国の侵攻の両方に見舞われ、伸び悩んでいたように見えた。

ヒッタイト

食えない隣人。ゲーム後半に復帰困難な災害に見舞われていたのが可哀想だったが、こちらを欺いて侵攻してきたり交易詐欺の被害にも遭ったので同情はしない。ただ外交上の偽りも戦術的には理にかなっているように見えた。少し何かが違っていたら自分もああなっていたのではないか、というタイプの敵キャラだ。事実、仲が悪いとき以外は仲良くしていたので、食えない隣人である。

【ローマ】

ローマはアッシリアの領土に非常に長い間居座り、毎ターン資源を要求されたので、アッシリアから見ると寄生虫のイメージしかない。「交易したら貢物の要求止めてあげるよ?」と言われても信じられるかよ! というのも、ヒッタイトが台頭していた時期にヘラスとロ―マとアッシリアの3カ国で共謀してヒッタイトをボコろうという話があったのだが、その後引き上げるはずだったローマ軍が何故かアッシリア残留したので。延々交易封鎖されながらも上位をしっかりキープしているので、外交が上手いのは確か。アッシリアは《軍事》が無いので結局自力では追い出せなかった。《属領国家》強い。

【ヘラス】

あるときは敵、あるときは味方というルパン三世でいう不二子ちゃんポジションである(アッシリア視点)。ローマとヒッタイトを煽動してアッシリアに攻めてきた件は許していないが、《属領国家》を取得しながら貢物をたまにしか要求してこなかったので交易相手になることが多かった。また、ラストターンに自分の都市を捨ててまでミノアのゴールを止めようとしたのは感動した(結局失敗してしまったけど)。後半はローマやミノア、ヒッタイトとずっと戦っていたイメージ。

【エジプト】

序盤はいくら自国のためとはいえ初プレイ相手に3都市同時攻撃などを仕掛けて申し訳ない気持ち。ただアッシリアが自国の領地を確保した後は、ずっと良き隣人だった。交易は偽らないどころか、お互いに次のターンに持ち越したいカードを任せるなど蜜月関係。ありがとうございます。終盤は《一神教》でアッシリア軍のローマ軍を焼き払うなど黄金の精神を見せてくれた。ジョジョの主人公みたいだ。その《一神教》でラストターンにしれっとアッシリアの都市(最終スコア1点分)を持っていかれたのだが、些細なことである。

おわりに・次回に向けて

次回開催があるとしたら、外交関係とマップの広さを思うと9人でプレイしたいところ。外交の選択肢が広い方が、好きなだけチャットなどで話し合いのできるオンラインの強みが活きると思う。戦争が本当に辛かったので参加するかどうか即決という感じではないが、とても楽しかったのは事実である。
最後に、4ヶ月以上の長い間ともにゲームをプレイした皆さんに感謝の言葉を述べたい。自分はあまりTRPGのオンラインセッションやMMOをプレイしないので、このようなロングゲームは貴重で得難い体験であった。あとゲーム進行をよく止めてしまってすみませんでした。最後までプレイできたのも皆さんのおかげに他なりません。本当にありがとうございました。お疲れ様でした。

シンデレラのおしごと エラッタとコンポーネントの改良について

シンデレラのおしごと拡張パックの制作に向けて、基本セットと交えたテストプレイ中に分かったことがあります。
それは、基本セットに収録された一部のアイドルが、他と比べると見劣りすることです。
もちろん基本セットの制作時にテストプレイを行わなかったわけではありませんが、拡張パックによってアイドルの数が増えると、それが無視できなくなってきました。
以下に5人分の修正版テキストを並べますので、ご確認ください。
修正後のテキストは、拡張パックのカードを追加した場合はもちろん、基本セットだけで遊ぶ場合も採用することをおすすめします。

カード配布

既にシンデレラのおしごとをお持ちの方は、J.C.クリエイツのブースにお越しいただければ修正版のカードをお渡しします。
今後のゲームマーケットなどでも持参するので、いずれの機会で手に入れていただければと思います。
もちろん、実際のカードが無くても、修正後のテキストでプレイしていただいて構いません。

アナスタシア

ステータス変更なし(誤字は修正済み)
このアイドルが仕事に参加せずにラウンドを終了した場合、レッスンカウンターを2つ載せる。

新田美波

ステータス変更なし
あなたが営業を行うたびに、勝利点5点を得る。

塩見周子

歌6 演8 体4 ト4
得点計算時、このアイドルが参加した仕事でこのアイドルが獲得する勝利点が7点以下ならば、かわりに勝利点を8点獲得する。

双葉杏

ステータス変更なし
得点計算の前に、あなたのPトークンを1つ捨ててもよい。その場合、このラウンドのみ、このアイドルの各ステータスを8上昇させる。

佐久間まゆ

ステータス変更なし
このアイドルが事務所に加わったとき、あなたの事務所にいる他のアイドル1人につき勝利点8点を失う。このアイドルが事務所にいるとき、他のアイドルがあなたの事務所に加わったなら、勝利点8点を失う。ラウンド終了時、Pトークンは勝利点7点に変換される。

高い方に合わせる

エラッタ対象アイドルは、どれも数字が大きすぎると困るので控えめに設定したアイドルです。
拡張パックのアイドルをデザインするにあたり、むしろ強い方の水準に合わせて作った方が面白いことが分かりました。
Civilization』シリーズで有名なゲームデザイナーの巨匠シド・マイヤーの教えに「うまくいかない数値は半分にするか倍にしろ」というものがあります。
この教えに従い、エラッタ対象アイドルの効果も、倍の値に変更するというのが基本となりました。
デザイン上、プレイヤーが把握できる範囲なら、動く数字は大きい方が楽しいと考えています。
アイドル同士の性能差がなくなり、より楽しみやすくなったと思いますので、どうぞお試しください。

コンポーネントの改良

ゲームマーケット神戸(2016年2月)以降の基本セットは、誤字のあったスコアシートの差し替えが行われています。
拡張パックを頒布するにあたり、コンポーネントへの意見として多かった「レッスンカウンターが足りないことがある」という点を改善しました。

f:id:vivit_jc:20160808183519j:plain

この光り輝くアイドルに相応しい木製星型コマは、大レッスンカウンターといいます。
レッスンカウンター5個につき、1つの大レッスンカウンターと「両替」してください。
これは拡張パックに3つずつ入っていますので、これでカウンターが足りなくなることは無いはずです。

いよいよ明日が当日です!

f:id:vivit_jc:20160813161436p:plain
J.C.クリエイツのブースでは、『シンデレラのおしごと』の他に、オリジナル飲み比べチキンレース『絶対に漏らしたりしない!』を頒布します。
洒落の分かる大人のための、短時間で終わる痛快チキンレースゲームです。
詳細は以下の公式サイトをご覧ください。

絶対に漏らしたりしない!

皆様のお越しをお待ちしています。

自分、シン・ゴジラのネタバレいっすかw

続きを読む

トーク力を手にしたアイドルたち〜シンデレラのおしごとデザイナーズノート(後編)〜

前回記事
vivit-jc.hatenablog.com

前回記事の続きです。
アイドルマスターシリーズには、「ボーカル」「ダンス」「ビジュアル」という3つの伝統的なステータスがあり、これは他のアイマス同人アナログゲームにも採用されていることが多いです。
『シンデレラのおしごと』はそうではなく、あえて「歌唱力」「演技力」「体力」「トーク力」という4つのステータスを設定しました。
もっとも、トーク力以外は伝統的な3つと実質同じと考えてよいでしょう。
独自のものはトーク力だけです。
仕事カードで要求されるステータスは、それぞれのステータスが以下のようなイメージであることから逆算して設定されました。

歌唱力

個人的にはあまり歌わないアイドルがいてもいいとは思うのですが、アイドルマスターに関しては歌と切り離すことは不可能です。
実際にプレイした方はご存知の通り、歌唱力は仕事において若干優遇されています。

演技力

ドラマやCM出演などの際に要求されるステータスです。
演技力という名前になってはいますが、本家アイマスの「ビジュアル」に相当するステータスなので、グラビア撮影やモデルなど被写体としての仕事もこの中に含まれています。

体力

本家アイマスの「ダンス」に相当するステータスです。
ライブはもちろん、他に体力を要求されそうな仕事全般に割り振られています。
そんなに差は無いものの、演技力とトーク力よりもちょっぴり優遇されていますね。

トーク力

さて、本題。トーク力とは、その名の通り人前で話す仕事に関する能力です。
テレビ等を観ていても、いざ人前で喋らなくてはならない時、うまくできるアイドルと、そうでないアイドルは、案外はっきりと分かってしまうものです。
その割に、当たり前ではありますがアイドルは人前に出て喋らなければなりません。
インタビューや音楽番組、授賞式のスピーチなんかもあります。
また、アイドルによっては、バラエティ番組で芸人顔負けのトーク力を発揮したり、ラジオパーソナリティを務めるアイドルもいます。
トークと言うものの、例えば雑誌のコラム記事を書いたり、ブログを自分で更新したりといった執筆作業もこれに含まれます。
シンデレラのおしごと特有のステータスではあるものの、やはり歌唱力や体力に比べると重要性は高くないため、トーク力を活かして大量得点を狙う……といったことは難しいように作られています。

伝統的な3つのステータスを基調としてそれを拡張し、さらにトーク力というステータスを加えたことで、おおよそ全てのアイドルっぽい仕事が表現できるようになりました。
ルール上「尖ったステータスを持っているアイドルは強い」という仕組みになっているため、それを考慮したステータス設定をしていますが、「このアイドルはこれが強みだ」と明示的にわかっていることが、ゲームへの感情移入の助けにもなっています。

ちなみに、トーク力は当初「知性」という名前でしたが、「知性が低い」のは雰囲気が良くないということでトーク力に変更されました。
不思議なもので、「トーク力が低い」と表現されると、それはそれでアイドルの味や個性であるように見えてきます。

シンデレラのおしごとでできなかったこと

ステータスの設定については、少し不満が残るところもあります。
それは、レッスンをすることで全てのステータスが同様に上がるため、ステータス個々の成長を行うことができないということです。*1
本家アイマスのレッスンのように、特定のステータスを上げるようなシステムにすると、複雑になり過ぎる割に面白さに関与しないことが分かったのです。
そのため、現在のように、あらかじめ設定された得意・不得意を覆すことができないという仕組みになってしまいました。
これは私自身を含むシミュレーションゲームっぽさを重視するプロデューサーの皆さんにとっては不満でしょうし、不得意な要素を克服して活躍するアイドル! というドラマ性はやはり魅力的です。
ゲームのデザインは取捨選択なのですが、正直なところ結構心残りなので、今後の課題とさせていただきます。

ステータスの扱いの今後〜拡張パックではこうなる〜

ここで少し拡張パックの話を。
拡張パック『AnotherParty!』では、新たな仕事カードが3枚追加されます。
この3つの仕事カードが加わることにより、アイドルのステータスの扱い方も自ずと変わってくるでしょう。

まず、新しい3つの仕事は、どれも特定のステータスを参照しません。
つまりアイドルたちが最も得意なことで戦うことができるということですが、実はステータス以外のあるものを参照して得点が決められる仕事が1枚あります。
また、仕事カードの「特別レッスン」のように、得点にはならないもののうまく使えばその後の展開を有利に進められる仕事も1枚あります。

そして、ゲーム中に使う仕事カードは16枚と決まっていますので、新しいカードを混ぜて遊ぶときはランダムに使わないカードが3枚発生します。*2
例えば1回で実質2人分の得点を獲得できる「アルバム発表」「映画撮影」がゲームに出てこない場合があるのです。
どの仕事カードが卓上にあるかによって、ステータスの重要性が変化します。
基本セットでの固定された仕事カードに飽きたプロデューサーの皆さんに、拡張パックを強くおすすめします。

どのアイドルも活躍できるように

どんなステータスのアイドルでも活躍できるようなゲームにしたつもりです。
しかし、それでも一部のアイドルは他と比べて見劣りする設定になっていることが分かってきました。
これはバランス調整の不足から来るもので、手にしてくださった皆さんにはお詫びしなければなりません。
拡張パックを制作するにあたり、基本セットの一部のアイドルを修正する機会に恵まれました。
次の記事では、基本セットのバランスに関する反省と、アイドルのエラッタについて説明します。
基本セットをお持ちの方は、是非お読み下さい。

*1:拡張パックでは、初めてそうでないアイドルが登場します。

*2:ただし、拡張パックが入ってもライブが固定なのは変わりません。

ゲームはどこから生まれるか?〜シンデレラのおしごとデザイナーズノート(前編)〜

『シンデレラのおしごと』を作ろうと思ったのは2015年の8月中旬頃、ちょうど夏コミが終わった後くらいだったので、もうすぐで丸一年になります。
私が作るアナログゲームとしては、『ハコモノギョーセイ!』『DECK and SLASH』『量子カノジョ』に続く4本目のタイトルで、今までのゲームの中で一番アナログゲームっぽい内容です。

アイドルマスターシンデレラガールズ』については、配信すぐ後(2012年末頃)から断続的にプレイしていました。
好きが高じてえっちな二次創作小説本を作ったこともあります。
個性的なたくさんのアイドルが活躍するのをアナログゲームで味わいたい! という意図はもちろんあるのですが、実際に『シンデレラのおしごと』を作った理由はここから少し違ったところにあり、今回の記事ではそれについて書いていこうと思います。

ゲームはどこから生まれるか?

皆さんがゲームを作るとき、その動機は一体なんでしょうか?
『シンデレラのおしごと』の場合、それは不満でした。
といってもネガティブな意味ではなくて、もっといいものを作りたいという改良への欲望と、挑戦心が私を動かしたのです。
ひとつはワーカープレイスメントというスタイルのアナログゲームに対する不満。
もうひとつは『アイドルマスター』というゲームに対する不満です。

ワーカープレイスメントへの不満

このような記事を読む人にとってはもはや説明不要だとは思いますが、念のために説明しておきましょう。
ワーカープレイスメントとは、プレイヤーが選択できる行動(海で魚を釣るとか、市場から商品を買うとか)の上限回数がプレイヤー全体で共有されており、早い者勝ちで埋まっていくスタイルのゲーム、およびその仕組み(メカニクス)を指します。
海で魚を釣れるのはそのラウンドで2回までで、それ以降は誰も魚を釣りに行けません。
行動が埋まっていることを示すために、多くのゲームではプレイヤーが労働者(ワーカー)の駒を配置(プレイスメント)するのでこの名前があります。

ところで、実際にゲームを遊んで、あるいはこの説明を読んでこう思った人はいないでしょうか。
「どうして先着2名しか魚を釣れないんだろうか、場所はいくらでもあるのではないか(広大な海を見渡しながら)」と。
私がそれを特に感じたのは『アグリコラ』で、まあ魚を釣るアクションや家畜を獲得するアクションが先着順なのはいいとしましょう。
ボードに描かれている漁場は小さな池で、同時に何人もは入れそうにないし、市場で売っている家畜の数が限られているのは分かります。
でも自分の家の畑を耕して種を蒔くのが先着順なのはなぜなんだ?
さらには、(人間の)子供を増やすのも先着順なのは一体どういった理由なんだ!?
そう強く思ったのです。

このように、ゲームの語る状況設定(フレーバー)に違和感があると、ゲーム自体にも不満が出てくることがあります。
アグリコラ自体は個人的には嫌いではないのですが、不自然なフレーバーの影響か、窮屈なゲームだという印象がかなり大きいです。

アイドルマスターへの不満

一方でアイドルマスターへの不満は、私が初めてプレイした『アイドルマスターSP』まで遡ります。
ゲームとしてのアイドルマスターは、主にレッスンとライブバトルに集中しており、これはアーケード版の初代アイドルマスターから変わりません。
しかし、これは私達が現実で目にするアイドルと比べるといささか小さな領域に収まりすぎているように思えます。
アイドルと一言で言ってもその活躍分野や仕事内容は千差万別です。
水着写真集を出したり、CMやドラマ、映画に出演したり、テレビでリポーターを務めるだとか、ファッションに集中した仕事をこなすアイドルや、エッセイ集を出版するアイドルもいます。
逆に最近では声優がアイドルと区別が付かないくらい歌ったり踊ったりしていますし、アイドルという存在がますます多彩になっていると言えます。

本家アイマスのアイドル候補生たちは、例えば歌に並々ならぬ情熱を注ぐ如月千早など、歌と踊りに集中する説得力がありました。
しかしシンデレラガールズのアイドルたちは本当に、過去に類を見ないレベルで精鋭化したキャラクターが200人以上います。
これだけのアイドルがいながら、歌って踊るだけでいいのでしょうか?

ライブ以外に活躍の場が無いわけではありません。
本家アイマスには営業というアクションがあり、CDのレコーディングから写真撮影、雑誌インタビュー、プライベートの1シーンなどアイドルが多方面で活躍する場を垣間見ることができました。
しかしそのような仕事は、ゲームとしての重要性は薄く、シンデレラガールズに至ってはただのステージ名でしかないという非常に小さな扱いです。
もちろんレッスンとライブに集中するのはゲームデザインとしては正しいのですが、この勿体なさが何とかならないかと、私は当時から不満に思っていました。

調和がよりよいゲームをもたらす

ワーカープレイスメントというメカニクスから来るフレーバーへの不満と、アイドルマスターというフレーバーから来るメカニクスへの不満。
この二つが結びついたとき、『シンデレラのおしごと』が誕生したのです。
様々な仕事があり、それぞれのアイドルに向き不向きがあるが、同時に仕事は先着順なので、時には得意でない仕事に行かなければならないし、仕事ができない時もある。
いまやフレーバーとメカニクスは完璧に調和しています。

フレーバーとメカニクスがうまく組み合わさっていればいるほど、直感的なゲームになり、またゲームの楽しさも増します。
『シンデレラのおしごと』の場合、早いもの勝ちの行動をプロデューサーの仕事として分離した結果、アイドルが行う仕事は点数にのみ関わるというデザインになりました。
これによりアイドル自身の特徴が目立ち、アイドルが一番活躍できる仕事を選ぶという「アイドルプロデュースゲーム」に相応しいデザインになったと自負しています。
また、従来のアイドルマスターの雰囲気を残すため、ライブは必ず行われるように設定し、制限がなく全てのアイドルが参加できるようにしました。
「アイドルプレイスメントゲーム」とは、ワーカープレイスメントとは一線を画したゲームになったという自信の現れです。

これをお読みの皆さんの心に、もしゲームに対する不満や納得のいかないもやもやがあるなら、自分でゲームを作るというのは最高の方法のひとつです。
是非挑戦してみてください。

プロデューサーの皆さんの中には、アイドルのステータスが伝統的なボーカル、ダンス、ビジュアルの3つではなく、このゲーム独自の4つになっていることが気になった方もいるかもしれません。
後編では4つのステータスが何をイメージしているのか、そして4つ目のステータスであるトーク力が追加されたあらましについて書きたいと思いますので、お付き合いいただければ幸いです。

追記

後編書きました
vivit-jc.hatenablog.com