いつクリはてブロ

いつになったらクリエイティブするの?

『シンデレラのおしごと拡張パックWonderland』各カード解説 Paアイドル編

前回記事はこちら
vivit-jc.hatenablog.com
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日野茜

みくにゃんの能力を、使える仕事を限定的にしたテキストです。
このように、似たテキストで違うアイドルを作るという方法であれば、前回までの記事で書いたように「テキストのアイディアが思いつかない」という問題を回避してどんどんアイドルカードを作ることができるのですが、新鮮味が失われるという別の問題が発生します。
茜の能力の場合は、あまりテキストが暴走せず(ゲームバランスを壊す恐れが低く)、プレイヤーのプレイスタイルをそんなに制限することがなく、かつキャラの特徴も表現できるということで、みくと似てはいますが採用しました。
指定されたステータスが参照されたとき、という能力はまだ使いみちがありそうです。

姫川友紀

拡張第二弾では仕事カードに介入できるアイドルを何人か入れるという目的がありました。
彼女はその一番分かりやすい例です。
このゲームは手札を持っておくことができないので、スカウトした時に発動するタイプの能力はタイミングを選べません。
テスト段階では仕事入れ替え効果は1回しか使えませんでしたが、タイミングを選べないせいで弱いと感じられたので、任意で2回まで使えるようにしました。

大槻唯

プレイヤーが1手番に1回ずつ行動して点数を稼ぐタイプのゲームは、1手番あたりの点数をどれだけ増やすかが勝負の分かれどころです。
つまり、1手番で2回分の点数を取れば、周りのプレイヤーより1手番分リードできるわけです。
このゲームであれば、アルバム発表など得点2倍の仕事は1つの行動で2回分の点数を稼いでることになります。
唯の能力は、1手番の得点効率を上げるのではなく、1手番の行動自体を2回にするというものです。
うまくやれば「アルバム発表」「映画出演」の得点2倍カードの両方を自分のアイドルで埋めることができるかもしれません。4倍だぞ4倍!
唯ちゃん自身が強すぎると問題が起きそうだったので、ステータスは控えめにしてあります。


答え合わせタイム。正解は唯でした。
自分で作ったゲームといえど、まだ書いたことの無いテキストを書くためには、ひらめきを待つ必要があります。

依田芳乃

彼女のテキストについては、「とにかく勝利に貢献しない方向で意味不明にしよう」と思って書きました。
最初に彼女を知ったときの「なんだこの子は!?」という驚きをカードに込めた形です。
そのため、ステータスの合計は24になっています。
それにしても、あれよあれよという間に声が付きましたね。
彼女の不思議な魅力にとらわれたプロデューサーは私だけではなかったということでしょう。

ちなみにこのテキストには元ネタがあって、同じくマス目を使うTCGである『ディメンション・ゼロ』のとあるユニットカードをモチーフにしています。
興味があったら調べてみてください。

再販、次回作など

各カード解説、いかがでしたでしょうか。
基本セットや拡張第一弾『AnotherParty!』の解説なども、機会があれば行いたいところです。
Twitterで「読みたい!」「早く書け」などのreplyを送っていただけると可能性が上がります)

おかげ様で『シンデレラのおしごと』は基本セット・拡張第一弾の在庫がもうなくなりまして、現在追加生産の準備中です。
追加生産分のイベントで一番早い頒布は、12月2,3日に行われます『ゲームマーケット2017秋』です。
ご所望の皆様には2ヶ月ほどお待たせしてしまうことになりますが、ご辛抱ください。
一生分の在庫を抱えるつもりでたくさん生産します。

ゲームマーケットではJ.C.クリエイツのオリジナル新作ゲーム『妹再生産』の頒布も行いますので、会場にお越しの方はそちらも合わせてよろしくお願いします。
ちなみに『妹再生産』のゲームデザインは、あの『絶対に漏らしたりしない!』のけんぼーさん(twitter)です。
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各ショップ・通販でも、12月頭からご利用可能になるよう準備を進めていますので、会場にお越しになれない方はそちらをご利用ください。


また、コミックマーケット93にも申し込んでいます。
当選していれば、『シンデレラのおしごと』とはまた別のデレマスボードゲームを頒布します。
そちらも現在鋭意制作中ですので、どうぞご期待ください。


『シンデレラのおしごと拡張パックWonderland』は各イベントで直接入手できる他、とらのあな様にて通販委託等も行われているので、是非ご利用ください!
https://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0030/55/31/040030553112.html

『シンデレラのおしごと拡張パックWonderland』各カード解説 Cuアイドル編

前回記事はこちら
vivit-jc.hatenablog.com

デザインの基本原則

各アイドルのステータスの合計は24が基準になっています。
多くのアイドルはステータス合計が23か22です。これはアイドルの特殊能力が大体どれくらいの追加得点に値するかで決められており、具体的には23の場合は8点、22の場合は16点くらい獲得できるように作られています*1
8の倍数になっているのはもちろん、1ゲームが8ラウンドで構成されているからで、ステータスを1下げた分1ラウンドに1点ずつ稼げる計算になっています。
もっとも、それで全て都合良くは行くわけではないので、ステータスの最大値を8にするか7にするかでバランスを取っています(ちょっと強いなと思ったら最大ステータスを7にするとか)。
ゲームのルールを根本的に変更するような能力を持ったアイドルは20以下に設定しています。
もちろんデメリット能力を持っている場合は24より大きいです。

ところで、ステータス合計が24であるにもかかわらず能力を持っているアイドルがいます。もちろんこれにもちゃんと理由があります。
今のところ基本セットに美嘉、アナスタシア、そしてWonderlandに芳乃がいます。
……ここまで書いておいてなんですが、今回はCuアイドルの解説です。
芳乃は他にもいろいろ書きたいことがあるのですが、ひとまず次回Paアイドル編をお待ちください。

五十嵐響子

ピンクチェックスクールの3人目です。美穂とは別の方向でやや万能な能力になりました。
Wonderlandの目的のひとつに、事務所アクションに注目したテキストを増やすというものがあり、それの最たる例といえます。
また、通常レッスンはアクションとしてやや弱いので、それを補うという目的もあります(これは美穂も同様です)。

先述の通り、1ゲームに行う事務所アクションは4回くらいかなと検討をつけ、8点分の能力としてステータスの合計は23点になっています。
ただ響子をプロデュースしたなら4回よりは多く事務所アクションを行うだろうということで、歌唱力と体力を抑え、LIVEであまり稼げないように設定しました。
でもこの子演技力8あるな…ちょっと強かったかもしれません。

一ノ瀬志希

彼女の能力は、キャラに合わせてパッと見て理解できないテキストにしようと決めていました。
ワーカープレイスメントの常識に囚われないようなテキストを考えてみた結果、出てきたのが現在のテキストです。
「謎の薬でプロデューサーをいつもより多く働かせる」という光景を(勝手に)イメージしています。
また、「営業」でこの能力を使うことにより、実質的に仕事を操作する能力にもなっています。
当初は「営業」と「特別レッスン」の早い者勝ちの2つのアクションだったのですが、レッスンカウンターの総数を増やしたくなかったのと、テスト中に能力を「営業」に対して使うことがほぼなかった(両方空いてたら「特別レッスン」を取る)ので、「営業」と「スカウト」に変更しました。

持田亜里沙

今回はとにかくレッスンカウンターをこれ以上増やしたくない…増やしたくない…と考えながらデザインしたのですが、テキストを思いつかない時はやはりレッスンカウンターに頼ってしまいます。
大原則として、なんとなくでいいのでキャラに合ったテキストをつけることを心がけていて、よほどゲームに悪影響を及ぼさない限りは、ゲーム内の都合よりもアイドルのイメージが優先されます。

彼女のステータス合計は22で、能力発動4回想定(16点)を基準に設定しました。
それ以上発動して大丈夫かどうかは、場の仕事カードの配置によるでしょう。

小早川紗枝

大部分のアイドルの能力は、プレイヤーにプレイの方向性を指示するものです。
例えばひたすらレッスンカウンターを載せるとか、「営業」を取れるだけ取るとか、眼鏡を配るとか、アイドルに合わせたプレイングを暗に要求します。
そう考えると、紗枝の能力はどんなことをしても発動し、逆に狙って追加点を稼ぐことができないという特異性があります。
要するにこれは「能力なし」の変形なのです。
能力のないアイドルは基本セットにのみ収録されていますが、拡張パックで新たに増やすのは少しサービス精神に欠けます。
一方で、新たな能力を増やすたびにゲームは複雑性を増していきます。
単にカードが一枚増えるだけではなく、他のカードとの相互作用も考慮しないといけないわけなので。
そんな二律背反に対する一つの答えが、このテキストに込められているのです。


今回はここまで。
少し早いですが、現在冬コミに向けて『シンデレラのおしごと』の再販の準備を進めています。
現在基本セットも拡張第一弾も在庫が無いので、新たに生産する予定です。
初頒布から2年弱経ちますが、オンリーイベントなどでも多くの初見の方に手にとっていただき、有り難い限りです。
もちろん冬コミ向け新作も制作中です。これに関しても近々告知すると思います。
どうぞお楽しみに。


『シンデレラのおしごと拡張パックWonderland』は各イベントで直接入手できる他、とらのあな様にて通販委託等も行われているので、是非ご利用ください!
https://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0030/55/31/040030553112.html

*1:初期アイドルにしていた場合

『シンデレラのおしごと拡張パックWonderland』各カード解説 仕事+Coアイドル編

『シンデレラのおしごと』基本セットと2つの拡張、それにGSSのおまけカードを合わせるとアイドルは45人、仕事は22種類になります。
拡張第二弾を制作するにあたり、既にあるゲームに手を入れる際どんなことを考えながらやったのか、どういう意図でカードが作られたかなどを、文章として残しておいたら将来何かの役に立つかもしれないと思い、記事としてまとめることにしました。

ドリームLIVEフェスティバル

基本セットを制作した当初は、個別のアイドルの活躍を描くことができればいいなと思っており、ゲームやアニメ本編で見られたようなユニットという考え方は重視していませんでした。
しかし、拡張第一弾を制作した時点で「次の拡張でこの子が出れば○○(ユニット)が再現できる」などの期待がプレイヤーの方々から寄せられるようになりました。
残念ながら全てのアイドルをカード化することはできませんが、ユニットを組むのがより楽しくなるような仕事をゲームに取り入れられれば、というのがこのカードの役目です。

ゲームメカニクスの視点から見ると、今まではアイドルたちはステータスの最も高い値をバラけさせた方が有利になっていました。
例えば歌唱力8のアイドルがいる状態でスカウトするとしたら、歌唱力が高いアイドルより演技力やトーク力が高いアイドルを選ぶことになるでしょう。
ドリフェスが場にあると、高いステータスを揃えたくなる場面が出てきます。
ステータスを揃えるか、バラすか、そのゲームの仕事カードの配置によって戦略を組み立てる必要が出てきます。

海外ロケ

拡張第一弾までの仕事では、一人だけが入れて大量得点できる仕事が2枚しかなかったので、3枚目を作ろうという目標がありました。
一方で、テストプレイの結果、ステータスの2倍の得点を獲得できるカードをこれ以上増やすとゲームの総得点が上がってしまい良くないということも分かりました。
両者を鑑みて、やや大きな固定点の仕事を作ることにしました。
ゲーム序盤には手軽に高得点が取れて(アルバム発表よりも高得点になり得ます)、終盤では育ったアイドルは参加しないでしょうが、新人アイドルなら割り当てる価値があります。
新人でも海外ロケに行けばそれなりのものになる…ということでしょうか。

二宮飛鳥

彼女をカード化するにあたって考えたテキストは、「仕事に一人で参加していればボーナス(独りきりが好きそう)」「ステータス比較で1位であればボーナス(負けず嫌いそう)」の2種類でした。
前者は現実的にあまりボーナスをもらえない上、飛鳥のプロデューサーにとって他のアイドルが入ってくることがストレスになってしまうことがテストによって分かりました。
また、固定点の仕事(ステータス比較によって7点・4点になる)の得点の底上げを図りたかったということもあり、後者に決まりました。

荒木比奈

このゲームではアイドルをスカウトするとその場で選択することになり、手札に控えておくことができません。
なので、序盤に引かないと(≒レッスンを重ねないと)弱いアイドルと、そうでないアイドルがいます。
3,4人目のスカウトは前者より後者を選択することになるので、アイドル全体で後者のタイプの割合を増やしておく必要があるわけです。

例えば十時愛梨は最終ラウンドでスカウトしても8点+LIVEで6点の合わせて14点が保証されています。
同様に輿水幸子も育てないと強くないですが、すぐに能力を使っても12点が保証されています。
荒木比奈の場合は、特に7,8ラウンドでは仕事に参加できなくても点数が自動的に獲得できるので、全体の仕事カードの枠が少ないゲームでは重宝するはずです。
場合によってはLIVEに参加しない方が点数が獲得できます。多分原稿か何かを書いているのでしょう。

北条加蓮

拡張第一弾ではレッスンカウンターを重視するアイドルが多かったので、第二弾ではなるべくレッスンカウンターとは別のところに焦点を合わせたアイドルを多めにしました。
しかし、各属性の3人組(トライアドプリムス、ピンクチェックスクール、ポジティブパッション)はシナジーを持たせるということを決めていたので、それのためには必然的にレッスンカウンターを媒介とすることになりました。
ゲーム内のレッスンカウンターの総和を増やしたくないとは思ったのですが、テストプレイの結果、やや厳しい条件であればやり過ぎにならないことが分かったので、このようなテキストになりました。

藤居朋

イラストレーターのはるひと先生のご指名があって用意されたアイドルです。
アイドルのイメージから、テキストもすぐ思い浮かびました。(多少調整はしましたが)
第一弾までは仕事カードの配置を操作することはできなかったので、第二弾で追加された仕事カードを動かせるアイドルたちを使って、これまでにないゲームをお楽しみください。


クッソ長くなったので各属性ごとに分けることにしました。
Cu、Pa編は後日。お楽しみに。


『シンデレラのおしごと拡張パックWonderland』は各イベントで直接入手できる他、とらのあな様にて通販委託等も行われているので、是非ご利用ください!
https://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0030/55/31/040030553112.html

コミックマーケット92にて『シンデレラのおしごと拡張パックWonderland』を頒布します


サークルJ.C.クリエイツは、夏コミ(コミックマーケット92)にて『シンデレラのおしごと』の拡張パック第二弾を頒布します。
この拡張パックでは、新たに12人のアイドルと3つの仕事が追加されます。
拡張パックなので、基本セットである『シンデレラのおしごと』がないと遊べませんので注意してください。

『シンデレラのおしごと』基本セットの特設ページはこちらです
http://intotheprow.sakura.ne.jp/cinderella/index

内容物

アイドルカード 12枚
仕事カード   3枚
アイドルチップ 12枚
ルールシート  1枚

追加アイドル

『Wonderland』では、以下のアイドルが追加されます。

これらアイドルには、基本セットや拡張第一弾と同じくそれぞれ固有の効果テキストが用意されています。
例えば以下のようなアイドルがいます。

  • それぞれの方法で仕事カードに干渉できる3人のアイドル
  • トライアドプリムス、ピンクチェックスクール、ポジティブパッションのそれぞれ3人目。ユニットのメンバー間にはシナジーがあります
  • 仕事に行かない方が得点を稼げる(かもしれない)アイドル
  • 自分の手番を続けて2回行えるアイドル

仕事カード

新しく追加される仕事カードでは、ユニットとして同時に複数のアイドルを仕事に参加させるものがあります。
同じユニットのアイドルは同じステータスを参照するので、今までとは違った観点でスカウトを行う必要があるでしょう。

『シンデレラのおしごと』シリーズの他作品

当日、ブースでは『シンデレラのおしごと』基本セットと拡張第一弾『AnotherParty!』、および外伝的位置づけの『The Glass Shoe on Stairs』も合わせて頒布します。
また、とらのあな様での委託販売も再開しましたので、よろしくお願いします。


シンデレラのおしごと基本セット
http://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0030/41/63/040030416306.html


拡張第一弾 AnotheParty!
http://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0030/43/89/040030438997.html


the Glass Shoe on Stairs
※独立して遊べる一人用ゲームですが、『シンデレラのおしごと』用のカードが付録として入っています
http://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0030/48/97/040030489779.html

参加情報

  • サークル名:J.C.クリエイツ
  • 参加日:8月13日(3日目・日曜日)
  • ブース番号:東テ-15b
  • 新刊:『シンデレラのおしごと拡張パックWonderland』
    • 頒布価格(予定):1800円

http://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0030/55/31/040030553112.html


当日、皆様のお越しをお待ちしています。

the Glass Shoe on Stairs デザイナーズノート(後編)〜天真爛漫な子供と女の子と背伸びする子供と少女になりたての女の子〜

この記事は、コミックマーケット91(2016年12月)にて頒布した一人用カードゲーム『the Glass Shoe on Stairs』のデザイナーズノートです。
前編はこちら。
vivit-jc.hatenablog.com

薫、舞、ありすが選ばれたワケ

「ジュニアアイドル3人が大人の階段を上る」というアイディアはすぐに思いつきましたが、これは歌姫庭園などオンリーイベントにて当日こっそり行っていた『シンデレラのおしごとに欲しいアイドルアンケート』の結果を反映したものです。
特に、少ない投票数ながら薫の人気が高く、私個人が『スターライトステージ』で初めて引いたSRが薫だったこともあり、薫を入れたい、どうせなら他の属性の小さな子たちも入れたいという思いがありながら、枚数の関係で拡張にセットで入れるのはちょっと難しい。
そんな事情から、テーマに従った3人で、独立させることに意味があるアイドルたちというわけで、この3人が選ばれたのです。
おまけ要素として、大人の階段を上って成長した彼女らの姿をイラストレーターさんに描いてもらうというのも、案を思いついたと同時に思いつきました。
(企画だけは本当にまとまるのが早かったのです。それ故に油断したのですが)

素敵なイラストを描いてくださったイラストレーターの皆さんには本当に頭が上がりません。ひたすら感謝です。

龍崎薫

最年少のアイドルを出さずにどうする、ということでPa担当は薫と即決しました。
また、彼女の年齢から逆算して、15歳をゴールとすることも決まりました。
彼女に関するイラストやコミュは、どれも郷愁を強く訴えかけます。
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彼女のひとつひとつが胸に突き刺さり、強い痛みを引き起こすのです。

唯一の救いは、彼女がフィクションの存在であるということです。
つまり、彼女の台詞は実際の子供のものではなく、大人の「子供とはこういうもの」というイメージに基いて書かれたテキストから成り立っているという事実。
もし彼女が実在して、自分にこのような台詞を投げかけてきたとしたら……きっと私は正常ではいられないでしょう。
想像をするだけでも恐ろしいことです。

成長後の薫についてイラストレーターである塔子さんにお願いしたところ、お嬢様ドレスの衣装や趣味が料理という面から、天真爛漫な子供時代から少し女の子らしい姿に成長したイラストを描いていただきました。
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ちょっとこのポーズ可愛すぎんか??

福山舞

ゲームのルール上、3人の年齢は9、10、11、12のどれか3つをバラバラにする必要がありました。
そこで、L.M.B.Gのメンバーで薫との関係性が強い彼女がCu担当として決まりました。

今でこそ関係性を見いだしにくいものの、シンデレラガールズのサービス開始当初、彼女はテレビ番組『クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!』のまいんちゃん役である福原遥さんがモデルであるというのが定説でした。
(名前と、Nイラストの髪型や服装などを見れば明らかです……よね??)
福原遥さんの成長度合いは度々インターネット上で話題になることもあり、アイドルの成長する姿を描く本作にとってもピッタリの配役でした。

また、私自身にとって『クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!』の前番組である『ひとりでできるもん!』も、本作について欠かすことのできない存在です。
私にとって『ひとりでできるもん!』初代主役である平田実音さんこそ「テレビに出てる憧れのお姉さん」だったのです。
また、平田実音さんは高校生時代にNHK教育の歌番組に出演していたこともあり、思い出の中の彼女から成長した姿を見て「テレビの中の人も自分と同じように成長するんだ」と当たり前ながら強く印象に残った覚えがあります。
(それだけに、突然の訃報にはとても驚き、ショックを受けました)

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成長した姿の制作にあたっては、イラストレーターであるくるみるみさんが提示してくださった3つのパターンから選ばれたイラストになっています。
皆さんは彼女の成長後の姿をどう思い描きましたか?

橘ありす

成長というテーマにおいて彼女の存在は特徴的です。
シンデレラガールズ本編を通して彼女から伺えるのは、他の二人とは明らかに違った姿です。
すなわち、「大人になりたくて背伸びしている」あるいは「自分は大人であると思っているのに周りが子供扱いする不満」が色濃く感じられます。
子供が大人になる過程を描く本作にとって、彼女のそういった面はまさに本作の象徴なのです。

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サークルカットの時点で、イラストレーターのはるひとさんと
渋谷凛に似過ぎていないか(不安)」
「必然的に似ると思うのでこれでいいと思う」
という風なやり取りのもと、成長後のありすの姿が確立したという経緯があります。
実際、橘ありすと渋谷凛が同時代にアイドルとして存在したとしたら、ありすは凛の影響を少なからず受けるのではないでしょうか?
そんな空想をしてみるのも楽しいかもしれません。

佐々木千枝

薫、舞と来てCo担当が彼女でなくありすであることに違和感を覚えた方も多くいたと思います。
L.M.B.Gをはじめ、各属性で3人組を作るとしたら普通はそうなるはずです。
私も最後までありすと千枝のどちらにするか迷いました。
最終的に、当初思いついた時点での人選通り、ありすが選ばれることになりました。
その理由は、千枝とありすが想起させるイメージの違いにあります。

薫は「天真爛漫な子供」、舞は「女の子」であり、ありすは「背伸びする子供」というイメージでした。
先に挙げた通り、彼女たちはそれぞれ今の姿だけでなく、成長した後どうなるだろうという疑問が前提になっています。
しかし、千枝は違うのです。
先述のイメージ、またはプレイヤーから見た「配役」として、私は千枝について「少女になりたての女の子」であると考えています。
すなわち、彼女は11歳であることが最重要であって、成長させることによって彼女のアイデンティティは喪失してしまうのです。*1
だからどうしても彼女を選ぶことができなかったし、ありすをメンバーから除くこともまた不可能でした。

思い出カードのイラスト

個別のカードイラストは、当初背景素材等で手抜き簡素なスタイルにする予定だったのですが、思ったよりちょうどいいイラストが見つからないため、長年お世話になっているうのはな透さんにお願いして描いてもらうことになりました。
線画のままなのは、一人用ゲームのカードは何となくイラストが重くないイメージだったのと(完全に『シェフィ』の影響)、彼女たちにとっては未来の出来事なので色がついていない、という裏設定によります*2
決して彩色が間に合わなかったからというわけではありません(強調)

追記


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「大人になること」を知ること

私は大学に随分長いこと通っていたこともあり、20歳になってからいつも「大人ってなんだろう」と考えていました。
子供の頃はありすのように「周囲が自分を子供として見る不満」が募り続けていたのですが、いざ大学進学のために上京してそれがなくなると、大人とはなんなのか、分からなくなったのです。
それは社会人になってからも変わりませんでした。
何をやったら大人なのか。果たして自分は大人らしく振る舞っているだろうか。
周りの人々は自分を大人と見なしているだろうか。

20代も終わりに差し掛かり、そろそろいつまでもそんなことを考えている年齢でもないと思い始めました。
そんなときにこのゲームの企画を思いついたのは、偶然ではないかもしれません。

そういうことはゲームでは描かれていないので

とは言え、これまで書いた全てのことは、ゲームのプレイには一切関わらないことですし、プレイヤーがどんなことを考えながらゲームを遊ぶかはデザイナーが立ち入る領域ではありません。
しかし、ゲームを作るときは多かれ少なかれ、このような感情への揺さぶりを組み込むことにしています。
もしゲームを通じて何かを思い出したり切ない気分に浸ってもらえたとしたら、デザイナー冥利に尽きるというものです。
もし何もなくても……ひとまずは、ゲームを楽しんでいただければ、それだけで大満足なのですが。

宣伝:夏コミで『シンデレラのおしごと』の拡張を出します

前々からチラチラほのめかしていた通り、『シンデレラのおしごと』拡張第二弾を出します。
(もし夏コミに受かってなかったらちょっと考えます)

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何卒よろしくお願いいたします。



『the Glass Shoe on Stairs』は各イベントで直接入手できる他、とらのあなにて通販委託等も行われているので、是非ご利用ください!

http://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0030/48/97/040030489779.html

*1:※個人の感想です

*2:今考えた